AAA産直朝市プロジェクト

産直朝市のマーク 

北海道オホーツクの安全で美味しい食材を作る生産者と地元の安全で美味しい食材を推薦する「あんしんサポーター(職業や立場や肩書きによらず産地の食の安全のために産直朝市の活動に協力してくれる人々)」と推薦された食材を評価する全国各地の「あんしん評価委員」の自立、連携した活動がAAA産直朝市プロジェクトです。

AA産直朝市プロジェクトメンバー

 AAA産直朝市プロジェクトメンバーは、職業や肩書きに依らず個人として活動に賛同し、自発的に参加していただける方々で構成されています。プロジェクトの意思決定やメンバー間の交流にはメーリングリストや専用の掲示板を使用し、地域や時間を超えた情報共有を行います。しかし、情報機器を持っていること、操作できることを参加の前提とするものではありません。多くの方々が参加できるようオープンで人に優しい活動スタンスです。

プロジェクト代表者 北海道網走市 尾上満昭
生産者 安全で美味しい食材を提供する農業、漁業に関わる人、逸品を育て、創りあげる人、良心的なサービスを提供する人
あんしんサポーター 上記の人や産品、サービスを検査、推薦したり、活動に協力してくれる人
あんしん評価委員 あんしんサポーターによって推薦された産品を評価する全国各地の人

AAA産直朝市プロジェクトが行う安全・安心・環境保全への貢献

オホーツク産直朝市の運営を通じ、下記の貢献を行います。
1.オホーツク産直朝市の運営や販売で得た収益の一部は一時「AAA基金」として積み立て、食の安全、安心と自然環境保全を目的とした調査研究活動に使用します。
2.生産者の行う安全で環境に優しい生産活動が持続できるように応援します。
3.未利用資源の利用を促進し、新たな価値の創造していきます。
4.人々がわくわくしながら取り組めるような活動を行い、地域の活性化に寄与します。

プロジェクトメンバーの貢献のめやす「エコポイント」

プロジェクトメンバーによる活動への貢献には、「エコポイント」を提供します。「エコポイント」は地域の未利用資源と交換できます。
例・・
Aさん「生産者を訪問して取材、レポートを書いてあげましょう」→エコポイント10AARA をもらう
Bさん「タマネギがいっぱいできたのであげましょう」→タマネギとAさんのエコポイントとを交換
Cさん「氷下魚がとれたからいらんかい」→氷下魚とBさんのエコポイントとを交換
Cさん「氷下魚をネットで頒布してくれんか。」→Cさんのエコポイントを使って産直朝市に出展

エコポイントを流通させることにより、資源の有効活用を行いつつ、プロジェクト活動を継続させていくことができます。

オホーツクの食と産品

 オホーツクという食の産地に住み、食と農業や漁業に関心を寄せる人たち、自然環境を大切に思う人たちは少なくありません。彼らは旅する人々とはちょっと違った視点で地元の食材や産品を見ています。それは景観の美しい北海道オホーツクだからといってすべてがクリーンであるわけではないので、オホーツクのイメージどおりの安全で安心な食や生産環境であって欲しいと考えています。また年中提供されている食材の中にはほんとうは旬があって、もっと美味しく値段も安い時期があるし、美味しい食べ方もいろいろあるということを知ってもらいたいと思っています。

あんしんサポーターの想い

 職業や立場や肩書きによらず産地の食の安全を考え、美味しさを伝えたい人々を「あんしんサポーター」と呼んでいます。あんしんサポーターたちは、環境に優しく、安全な食を作ろうとする地元の生産者との交流をはじめました。生産者を訪ね、生産方法や安全や味へのこだわり、販路、流通を調べてみました。
 調査を通じ、既存の流通にのらない食材がとても多いことに気がつきました。畑では安全に育てられ、完熟したカボチャが表面がちょっと変形しただけで排除されていたり、海では一時期に大量に遡上してくるカラフトマスが、人間に消費されず、もっぱら家畜の餌になっていたり、「ああもったいない」とため息がでるくらいです。そこで、あんしんサポーターたちは「どうしたら安全で美味しいものを無駄をなく消費者に届けられるだろうか。」と考えました。それが、産直朝市による新しい流通へのとり組みなのです。

流通規格を見直す試み

 農産物の等級・階級は、大きさや重量、形や見栄えで判断されます。しかし、多くの消費者にとって、それらの区分に大きな意味はありません。大小サイズが含まれていても、日々の食材として不適格であることは少ないでしょう。むしろ大事なのは、家族が健康に暮らせるように安心して食べられること、美味しく食べられることではないでしょうか。

大小混合、形や見栄えの悪さを容認すると・・

 畑や海では大小さまざまな生産物があり、形も見栄えも色々です。それらを規格にあてはめて一部の生産物だけを流通させるのではなく、一般の消費者が許容できる範囲のものを流通させるとどうなるでしょうか。

  畑でとれた全量 出荷量 廃棄する量 投入肥料 投入農薬 安全性 環境への負荷
既存の等階級別出荷 5トン 3トン 2トン 疑問
安全・安心基準 3.5トン 3トン 0.5トン 高い

 上の表のように既存の等階級を安全・安心という視点で見直すと、出荷量は同じでも廃棄量、投入肥料、農薬が少なくなり、その結果安全性が高まり、環境への負荷が減少します。生産者にとっては資材コスト、労力コストが減少し、その分の販売価格の下落も許容できるでしょう。消費者にとっては、安全性の高い生産物が安く入手できます。

安全・安心基準=AAA

 産直朝市は既存の出荷規格に代わって、「AAA」(安全、安心、認証)という生産基準を設けました。

農産物
畜産物
海産物
その他
・農薬取締法が遵守されていること
・残留農薬がないこと
・硝酸性窒素残留値が基準を超えないこと
・農薬の削減に努力していること
・化成肥料の削減に努力していること
・未利用資源の活用に努めていること
・環境に優しい生産方法であること
・食味が良好であること
・生産履歴を記録し、開示できること
・危険な飼料を使用しないこと
・農薬の削減に努力していること
・化成肥料の削減に努力していること
・糞尿処理が適切であること
・未利用資源の活用に努めていること
・環境に配慮した飼養法であること
・食味が良好であること
・生産履歴を記録し、開示できること
・毒性のリスクがないこと
・新鮮であること
・未利用資源の活用に努めていること
・環境に配慮した漁獲法であること
・食味が良好であること
・生産状況を記録し、開示できること
・安全であること
・環境に配慮して生産法であること
・表示が正しいこと
・生産状況を記録、開示できること

(硝酸態窒素の自主検査内容)

検査方法:硝酸イオン簡易測定試験紙を使用

NO3-Merckoquant
Nitrate Test (Test strips for the detection and semi-quantitative
determination of nitrate ions) Merck KGaA,64271 Damstadt Germany

1: 調べたい野菜5gを細かくきざみ、すり鉢でよくすりつぶす。
2: 野菜を145mlの精製水とよく混ぜる。
3: ペーパーフィルターでろ過する。
4: ろ過した液に硝酸イオン試験紙を1秒間つけた後、振って余分な水をとばす。
5: 1分後、試験紙の色をケース指標値比較する。

※硝酸態窒素とは、野菜が根から吸収できる窒素のこと。野菜の生育にとって必要なものです。しかし、収穫量を上げようと窒素肥料を大量に投入すると、野菜は自分の成長に必要な量以上の硝酸態窒素を吸収し、蓄積する性質があります。植物に吸収されずに土壌に残留した窒素は、地下に浸透し、河川や海洋の汚染原因となります。また硝酸態窒素を大量に蓄積した野菜は食味が低下し、また病害虫の発生が多くなると言われています。そのために農薬の多投入せざるを得なくなるのです。

 

 

検査・推薦

 生産者には生産履歴を求め、生産内容や安全性、生産活動のコンプライアンスを確認し、一部品目では硝酸態窒素の残留検査も行います。
こうした活動の結果、信頼できる生産者や安全な食を見いだしたときにその生産物を推薦します。

評価委員

 「あんしんサポーター」が推薦するオホーツクの産物を客観的に評価してもらうため、産地外に在住し、評価してくれる人を公募いたします。評価委員は5名前後の方々で構成され、各々の評価委員の地域や専門性を配慮して、推薦された産物を発送、到着日や梱包状況、品物の状態、最初の印象、食べてみた感想、生産履歴やレシピに関するご意見などを得ます。専門家としての評価に加え、消費者としての真摯なご意見が出されます。

平成16年度の評価委員さんを紹介します。

住所
氏名
紹介
札幌市

梅村芳樹さん

市民農園の指導、地域食材の活用普及活動を実践されています。
元北海道農業試験場ばれいしょ育種研究室長
京都市 綾部任さん 地域活動や農業情報のコンサルタントをされています。
京都府NPO支援アドバイザー
横浜市 菊地高夫さん レストランにて料理や素材の研究を行っておられます。
創作料理レストラン店主
東京都 國澤潤三さん 一般消費者の目線で評価いただいています。
旅行会社代表
熊本県 藤芳義裕さん 環境保全型漁業推進研究会主宰されています。
海工房代表

A=安全、A=安心、A=評価・認証 を運営の基本にした非営利活動

 産地の偽装はなぜ起きてしまうのでしょうか。ブランド産地を偽装することで高く売るためであったり、天候などの要因で計画通り生産ができなくても、「欠品」が許されない仕組みがそうさせている場合があることに気がつきました。
 最近では「消費」から「生産」にむかって、安全であるという「誓約書」を求め、責任の所在を次々に移し替えていくという現象がおきています。もちろん、生産者には消費者に安全な生産物を供給する責任があります。しかし、「誓約書」の押しつけが問題解決の本質ではないことは明らかです。生産、流通、加工、小売、消費、つまりフードチェーン全体で食の安全、安心の問題を解決するという立場が必要ではないでしょうか。

 AAA産直朝市プロジェクトは非営利活動として「オホーツク産直朝市」を運営しています。売り上げをのばすために生産者に無理をさせたり、品揃えを重視することで旬をなくすことは行いません。安全で美味しいものは、大量にはとれないということを私たちは知っています。旬の産物がもっとも美味しく、値段も安い。旬に作り、旬に味わうことが環境に優しいことであると考えています。消費者のみなさんとともに食の安全、安心を支えていくことがAAA産直朝市プロジェクトの役割なのです。

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