農産物
質問  なぜカボチャはホクホクしたものとベチャベチャのものがあるのですか?

「ぱふぱふ南瓜、べちゃ南瓜、ほくほく南瓜」について

こちら(本州)では栗味のかぼちゃに出会うことがありません。子供の頃食 べていた栗かぼちゃに出会えたらと願っております。こちらで購入するものは、北海道産と銘打っていてもやわらかいかぼちゃなのでガッカリします。作っている方から購入すれば確実と思い友人と楽しみにしています。


とおくに農場さんからのお答え

こんなメールをいただきましたが、実はこれは南瓜の特性・出荷流通体制・旬 などの複雑な事情があって店頭で買っても美味しいほくほく南瓜に出会える確 立が低いのは仕方が無いんです。この消費者の方は北海道産の栗南瓜を食べているはずなんです。 では・・・なぜ????---

あんなに頑丈そうな食べ物なのにデリケートなカボチャ

南瓜は収穫したばかりの時は、収穫遅れで無い限り粉質が強く糖度が低い状態 (ほくほく感はあるけれども甘味が足りないぱふぱふ南瓜)です。

また意外かもしれませんがとれたて南瓜の表皮は思ったよりも柔らかく爪で引っかくと傷 が入ります。間違ってコンと落としてしまったらあっという間に腐ってしまいます。また、気温30度以上の直射日光に1日あたっても腐ってしまいます。

(雑談)消費者の方に一番意外だといわれるのが4ヘクタール(4万平方メー トル)の面積の南瓜でも手作業で一個一個収穫していますよというと当然唖然 とされる(笑)

キュアリング処理

ぱふぱふ南瓜をほくほく南瓜にして貯蔵性を高めるための処理です。 かんれいしゃと呼ばれる黒い布をビニールハウスの上にかけて日陰をつくり風通しを良くして一週間程度風乾させます。(これだけでは単なる陰干しです) その一週間のうちの3日間、お昼ころ1時間程度かんれいしゃをはずして、南瓜に直接、麻布(まふ)という麻で作られた布をかけてハウス内の温度を35度まであげます。この高温処理のことをキュアリングといいます。

かぼちゃはこの高温処理によりでんぷん質が分解されて糖化して甘味がのりま す。またキュアリングするのにはもうひとつ大事な理由があります。さきほど言っ たように南瓜はデリケートで傷つきやすいので、その傷から出荷搬送中に腐る という危険が伴います。これをキュアリング処理することによって損傷のある南瓜は強制的に腐らせて未然に事故を防ごうというわけです。これで貯蔵性の高い南瓜のみが出荷されるようになります。 この状態のあと低温貯蔵すれば、南瓜の呼吸活動が弱まりしばらくの間はほっ くほくのおいしーい南瓜が食べられます。

べちゃ南瓜が食卓にすぐにあがることは考えられません。8月から9月の気温を 思い出してください。あの気温の中を私もよくわからない複雑な流通経路を通って皆様の食卓に上がるときには糖化が一段と進んでいると思われます。

糖化が進めばどんどん甘くなっておいしいのでは??

南瓜はいつまでも高温状態にいるとでんぷんがどんどん分解されるとホクホク感もどんどん減ります。これは南瓜のでんぷん質が糖と水に分解されておきる のです。ある一定の限界を超えると食感がべちゃべちゃとした感じになってしまいます。 だから、農家の方に直接送ってもらった南瓜がおいしいのは当たり前なんです。

化成肥料(窒素分)の量とべちゃ南瓜の相関関係

化成肥料のみの力で多収益をあげている南瓜はべちゃ南瓜となる確立が高いのできちんと有機質を施用されている農家の南瓜を食べることをお勧めします。 美味しいものを食べるって知識が必要なのね〜。。。

お答えはとおくに農場さんからでした。


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